鉄道と旅 1970s
羽越線の笹川流れ −日本半周撮り鉄の旅/1970年3月24日 [羽越線]
直江津の親戚の家でゆっくりとさせていただいた後,直江津発8:15の急行「きたぐに」,501列車に乗って次の目的地坂町の機関区を目指しました.坂町は羽越線にあり,9600型のSLがたくさんいたことで有名でした.坂町に着いたのは予定より2分遅れて9:46でした.着いたときにはかなりの雪が降っていました.
◆◆◆ 坂町機関区
坂町で途中下車し,早速機関区を見学させていただきました.このころはまだ,機関区の見学を割合に簡単に許可してもらえました.
▲坂町機関区の9600型蒸気機関車,9634と49681.
▲9634の後ろ姿.坂町機関区.
9600型蒸気機関車は吹田操車場にいたので見たことはあったのですが,ここのはデフレクタを付けていてちょっと感じが違いました.入れ換えだけに使っているのではないようです.雪の降りしきる中を,9600型,通称キューロクが転車台に乗って向きを変えたり,忙しそうに動き回っていました.あまりに雪が激しく,写真もママなりませんでしたが,これも北国の風景と,撮影を続けました.事前の調べではキューロクが8機,D51が4機いるということでした.とりあえずいたキューロクは上の3機でした.
▲9634,坂町機関区.
▲49681,坂町機関区.
▲49649.坂町機関区.
▲転車台に乗る49681,坂町機関区.
キューロクの撮影を続けていると,D51の引く貨物852列車が機関区のすぐ横を通って,坂町駅を発車していきました.ナメクジ型といわれる煙突から蒸気室が長く延びたような敵をしています.機番は雪のため確認できませんでした.
▲キューロクが見守る中,D51牽引の852列車が発車する.坂町機関区.
▲激しい雪が降り,保線夫さんたちが鉄路を整備している.後方は852列車.D51.
坂町で途中下車して過ごすのはわずか54分間の予定.次の坂町10:38発927Dに乗るために,機関区の見学はすぐに終えました.次はいわゆる有名撮影地,今川信号所と笹川流れを走るSL,D51,C57を撮りに行きます.
◆◆◆ 桑川−今川信号所間,笹川流れ
笹川流れは,新潟県村上市にある,有名な海岸風景をさす名前です.山裾がそのまま海岸になっているようなところで,列車は山裾=海岸を走ります.奇岩が立ち並び,海は日本海側の荒々しさが感じられ,よく鉄道ファンの雑誌にも写真が掲載されていました.ただ,撮影ポイントの選択は難しいところで,特に雪が積もり,またまさに降り続いている状態では,土地勘の全くない私では手に追えないことは覚悟しなければなりませんでした.今川信号所には11:36に到着しました.到着したら,まずここで行き違う832列車がやってきました.
▲私の乗ってきた927Dと行き違う832列車.C57 182.今川信号所.
▲今川信号所を発車する832列車.C57 182.
次にやってくるSL列車は,貨物6872列車です.なんとか海岸と山を入れようと,今川信号所を離れ,歩いて海岸の方へ出ました.そして,雪の舞い散る中,6872列車を待ちました.
▲6872列車,D51.機番不明.今川信号所−桑川.
次にやってくる列車は,荷物2047列車です.これもSLかと思いましたがDD51が引いていました.続いてD51牽引の555列車です.歩きながらいい場所を探しますが,雪が深く,高台へ出て俯瞰できる場所に行けません.
▲笹川流れを走る555列車,D51 1099.今川信号付近(笹川流れ).
まあ,何とか海と奇岩を入れて撮りましたが,笹川流れの雰囲気はあるものの全然だめですね.このあと特急「いなほ」が通過しました.これおもしろいディーゼルカーで,先頭車が犬のお巡りさん的雰囲気があるものです.形式は忘れてしまいました(どなたかご存じありませんか).順序としてはこちらの方が555列車より先に通過するはずだったのですが,少し遅れたのでしょうか.
▲2012D,特急「いなほ」.今川信号所−桑川.
海と列車を同時に入れるのは難しく,一見さんの私には本当に難しい場所です.眼前に広がる景色は素晴らしいのに残念です.少し高台に上がれる場所を見つけたので,とりあえず海の写真を一枚記念に撮っておきました.
▲笹川流れ.この浜のすぐ横を列車が走っている.
次は旅客821列車がやってきます.この位置からは行きすぎる列車を追いかけることになりますが,ここで粘ってみることにしました.ほどなく,C57牽引の821列車が今川信号所に到着してきました.
▲821列車,C57.今川信号所.
背景が奇岩ではなく集落になってしまいましたが,一応海は入っているし,この辺が精一杯の写真というところでした.この821列車は今川信号所で旅客834列車と行き違います.これも同じ場所でねらうことにしました.今度は今川信号所を発車してくる加速のシーンを正面から捉えることができます.
▲834列車,D51 811.今川信号所.
歩き疲れたので,今川信号所に戻り,貨物550列車を駅で撮影しました.
▲550列車,D51 1001.今川信号所.
本当に写真に切り取れないのがもどかしいのですが,ここは景色のきれいな場所です.今川信号所を出ていく932Dを一枚撮っておきました.
▲932D,今川信号所.
さて,いよいよ移動の時間がやってきました.今川発14:54の837列車でさらに北に移動します.向かい側のホームには837列車と行き違う962列車がまず入ってきました.そして,私の乗る837列車もやってきました.
▲962列車,D51 932.今川信号所.
▲左が先に入線した962列車,D51 932.右が私が乗る837列車,D51 324
この837列車に乗って,温海まで移動し,そこで,急行しらゆきにのって青森まで行きます.この「しらゆき」という名前も自然現象名の急行列車ですね.途中鼠ヶ関では,883列車のD51 1005と私の乗った837列車のD51 724とでアベックのD51を撮影しました.
▲左:D51 1005,883列車.右:D51 724,837列車.鼠ヶ関.
さて,次第にまわりも暗くなってきて,これからしばらく「しらゆき」にのって北の国を走ります.青森到着が22:33の予定,そこから青函連絡船に乗って北海道に渡ります.今晩は青函連絡船が宿になります.